あらすじ
先祖しか、誇れるものがなかった
長野県・菅平高原。旅館「真田の館」を手伝う高校2年生・真田蒼真。先祖は戦国武将・真田一族――しかし誇れるのは「先祖」だけ。かつてテニスで、一人で戦い、一人で負けた夏から、「仲間なんて面倒だ」と心を閉ざしていた。
見てるだけじゃ、分からない
蔵で見つけた、六文銭のパドル。そして夏のピックルボール体験会で、蒼真は鈴木蘭に出会う。「見てるだけじゃ、面白いか分からないよ」。初めてのダブルスは11対9で敗北――それでも蒼真は言う。「俺と組んでくれ。世界一になるためのな」。
仲間と、高地で強くなる
攻める司令塔・鈴木蘭、畑の怪物・猿飛一双。菅平に集う個性が「チーム真田」を結成する。世界を知るコーチ、リチャード・ケインに導かれ、標高1,300mの高地トレーニングと共同生活が、彼らを大きく成長させていく。マスコットは柴犬のリク。
そして、世界との差を知る
相手の癖・心理・呼吸・視線をすべて読み切り、「相手が最も嫌がる一球」を打つ。真田の兵法をプレーに落とし込む蒼真。精密機械・服部隼人との激闘を越えて全国の頂点に挑むが、決勝でアメリカ帰りの天才に完敗し、世界との差を痛感する。
世界を、菅平へ呼ぼう
敗北を経て蒼真は決意する。「世界を追いかけるのではなく、世界を菅平へ呼ぼう。」仲間とともに国際大会を企画。ラグビー合宿の聖地・菅平は、世界中のプレーヤーが集う新たな聖地へと変わっていく。
その一球が、世界を変えた
世界選手権決勝、満員のセンターコート。相手は世界ランキング1位のアメリカ王者。祖父の教え――「勝つ者ではない。勝ち筋を見つける者こそ真田」を胸に、蒼真は渾身の一球を放つ。スコアは、あの体験会で初めて負けた日と同じ11対9。日本初、ピックルボール世界王者、誕生――!
次は、君たちの番だ
数年後。夏になると、世界中の子どもたちが菅平に集まる。駅前の新しい看板には「Welcome to Sugadaira, The Holy Land of Pickleball」。旅館のコートでパドルを手渡しながら、蒼真は微笑む。「俺は、この町で夢を見つけた。次は君たちの番だ。」







